【お金の科学】ヒトはモノよりコトにお金を使った方が幸せになれる

『お金の使い方を見直したい』

『若くして経済的自由を獲得した人のお金の使い方が知りたい』

『同じ金額でも使い方によって感じ方が異なるのはなぜ?』

という風に思っている方いらっしゃると思います。

お金と脳の関係はとても興味深いものだったのです。

ということで本記事では、

【お金の科学】ヒトはモノよりコトにお金を使った方が幸せになれる

という内容をお伝えしていこうと思います。

本記事は、

FIRE(Financial Independence and Retire Early = 経済的自立と早期退職)の第一人者で、

30代でFIREを成し遂げたクリスティー・シェンの著書

『FIRE 最強の早期リタイア術』

を参考にしています。

本記事を読むことで、

  • ヘドニック・トレッドミル現象とは?
  • 快楽物質「ドーパミン」
  • モノではなくコトにお金を使うべき理由

を知ることができ、

そして、実践することで、

お金の使い方の意識を少し変えただけで、より満足感が高くストレスの少ない日々を送ることができるようになります。

逆に、実践しなければ、

どれだけお金を稼いでも満足感を得ることはなく、本当の自由を手にすることは難しくなってしまいます。

それでは、確認していきましょう。

ヘドニック・トレッドミル現象とは?

幸福も不幸も時間が経過すると、もともとの水準に戻る現象のことで、「快楽適応」とも言われています。

例えば、

  • 宝くじに当選する。
  • 試験に合格する。
  • 昇進・昇給する。
  • 試験に落ちる。
  • 試合で負ける。
  • 仲の良い友達が引越しする。

などの良かったことも悪かったことも、

時間が経過し振り返ってみると、その状況にいつしか慣れてしまっていたと答える人は多いのではないでしょうか。

試験に合格して長い期間ずっと嬉しそうにしている人も、試験に落ちて長い期間ずっと落ち込んでいる人も、どちらもあまりいないと思います。

快楽物質「ドーパミン」

ドーパミンは「快楽物質」と言われる通り、何か良いことが起こると放出される神経伝達物質で、放出されると我々は快楽を感じます。

しかし、放出されるドーパミンの量に応じて、幸福感が高まるというわけではありません。

ここに、ヘドニック・トレッドミル現象が生じる理由があります。

脳の一部である側坐核は、正の刺激(良いこと)に対して単純に反応するだけでなく、その刺激に対する期待と比較して反応しているのです。つまり、快楽はその期待値との相対量で決まるのです。

このことを証明するために、研究者達はある実験を行いました。

ゲームに勝てば1ユーロもらえ、負ければ何ももらえません。そのルールのもと、被験者にゲームをしてもらいました。

当然、ゲームに勝ってお金をもらえれば、気分が良くなると想像すると思います。

しかし、結果はもう少し複雑でした。

勝率が高いゲームだと、いくらゲームに勝っても側坐核のドーパミン受容体は活性化せず、

勝率が低いゲームだと、ゲームに勝った際、側坐核のドーパミン受容体は急激に活性化したのです。

ヒトは同じ報酬で同じ快楽を感じるわけではなく、あくまで期待値と比較して、期待値を上回れば快楽を感じ、期待値を下回れば快楽をあまり感じないのです。

モノではなくコトにお金を使うべき理由

前述の通り、

ヒトは同じ報酬で同じ快楽を感じるわけではなく、あくまで期待値と比較して、期待値を上回れば快楽を感じ、期待値を下回れば快楽をあまり感じないのです。

つまり、

快楽に慣れてしまうのです。

欲しいモノを買って嬉しい気分になっても、何度も繰り返すうちに慣れてしまうのです。

そのため、何を買っても脳が快楽を感じにくくなるのです。

快楽を感じるには、以前買ったことがあるモノより優れていなければならなくなるのです。

高級ブランド品を初めて買った時は嬉しくても、同様のモノを再度買った時に、初回と同じくらい嬉しい気分になることはできないのです。

しかし、お金を使う上で快楽に慣れることのない例外が存在します。

それがコト、つまり体験や経験にお金を使うということです。

その代表例として、旅行が挙げられます。

旅行が好きでよく旅行するという方も多いと思いますが、旅行するたびに快楽が減ったという方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。

そして、モノとは違い時間が経過してその旅行を思い出した際、良い思い出として蘇ってくると思います。

人間はモノの所有による快楽には慣れ、コト(体験や経験)による快楽には慣れにくいのです。

モノではなくコトにお金を使うべき理由が明らかになったところで、モノとコトそれぞれの具体例を考えてみましょう。

■  モノにお金を使う

  • 高級ブランド品
  • 衣類
  • コレクション(収集)

■  コトにお金を使う

  • 旅行
  • 趣味
  • 習い事
  • スキルの習得

上記例にあげた高級ブランド品、衣類、車、コレクション(収集)を買ってはいけないということではありません。生活に必要なものは買うべきですし、自分の好きな趣味などにもお金を使うことは決して悪いことではありません。

ただ、モノの所有による快楽は感じにくくなり、よりたくさんのお金を浪費してしまう可能性があるということを認識していただければと思います。

モノの所有を目的とせず、コトを目的としてお金を使っていきましょう。

モノを買って終わりではなく、自分の体を動かして経験するということが満足感につながっていくのです。

まとめ

最後にまとめておきましょう。

■ ヘドニック・トレッドミル現象とは?

幸福も不幸も時間が経過すると、もともとの水準に戻る現象のことで、「快楽適応」とも言われています。

■ 快楽物質「ドーパミン」

快楽物質「ドーパミン」によってヒトは快楽を感じますが、ドーパミンの絶対量で快楽度合いが決まるわけではなく、期待値と比較して、期待値を上回れば快楽を感じ、期待値を下回れば快楽をあまり感じないのです。

■ モノではなくコトにお金を使うべき理由

モノを所有することにお金を使い続けると、モノを所有することに慣れ、モノを所有することに対する期待値が上がり、幸福感をあまり感じなくなります。そして、その影響でお金を浪費してしまう可能性も出てきます。

一方、

コトを目的としたお金の使用では、それを何度やっても慣れることはなく、幸福感を感じ続けることができるのです。

—最後に—

どうだったでしょうか?

同じお金でも使い方によって、満足度が違ってくることがお分かりいただけたと思います。

同じようなモノをたくさん持っていてもあまり意味がないようなので、必要なモノを必要な分だけ所有するようにしましょう。

かといって、ミニマリストを目指す必要はありません。

無理をして、不便な生活になったり我慢することが大切だと言っているわけではありません。

自分に適した所有を心がけるようにしましょう。

モノを所有しすぎることは不幸につながってしまいます。

それより、コトにお金を使うことでより幸福で満足した人生にすることができます。

日本人はお金の使い方について勉強する機会が少ないので、読書などを通して学んだことを今後も記事にしていけたらと思っています。

お金の正しい知識を一緒に身につけていければと思っています。

最後にニーチェの名言をご紹介して終わりとします。

ある程度までのところ、所有が人間をいっそう独立的に自由にするが、一段と進むと所有が主人となり、所有者が奴隷となる。

それでは、お金の使い方を見直して、より良い人生にしていきましょう!

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