いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
以下のように思っている方も多いのではないでしょうか。
「HSPという単語をよく聞くようになったが、一体どういう意味なのだろうか。」
「もしかすると自分もHSPかもしれない」
ということで今回は、HSPとは一体何なのか、また自分がHSPなのかどうかを判定する方法とHSPの長所についても記載していこうと思います。
それでは早速確認していきましょう。
HSPとは?
HSPは、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念である「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字をとったもので、神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人のことを指します。
個人差はありますが、具体的には以下の特徴的な4つの性質「DOES(ダズ)」を持っています。
① D:Depth of Processing/深く処理をする
簡単に結論の出るような物事であっても、深くさまざまな思考をめぐらせる
② O:Overstimulation/過剰に刺激を受けやすい
刺激に対する反応が強く表れやすく、疲れやすい
③ E:Emotional response and empathy/全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
他人との心の境界線が薄く、相手の感情の影響を受けやすい
④ S:Sensitivity to Subtleties/些細な刺激を察知する
他の人が気づかないような音や光、匂いなど、些細な刺激にすぐ気づく
全人口の15~20%、約5人に1人はHSPと言われていますが、HSPは病気でも欠点でもなくあくまで気質であり、その気質が環境や場合によっては良く働くことも悪く働くこともあるのです。
HSP判定方法
HSPはセルフチェックで、自分がその傾向にあるかどうかをある程度、確認することができます。
以下の項目について少しでも当てはまるのなら「はい」、
まったく当てはまらないか、 あまり当てはまらない場合に「いいえ」と答えてください。
- 1. 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
- 2. 他人の気分に左右される
- 3. 痛みにとても敏感である
- 4. 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
- 5. カフェインに敏感に反応する
- 6. 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
- 7. 豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
- 8. 騒音に悩まされやすい
- 9. 美術や音楽に深く心動かされる
- 10. とても良心的である
- 11. すぐにびっくりする(仰天する)
- 12. 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 13. 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく
(たとえば電灯の明るさを調節する、席を替えるなど) - 14. 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
- 15. ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
- 16. 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
- 17. あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
- 18. 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
- 19. 生活に変化があると混乱する
- 20. デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
- 21. 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 22. 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
- 23. 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」 とか 「内気だ」 と思っていた
質問のうち12個以上に該当した場合は、HSPの気質があるとされます。
また当てはまるものが多いほど、HSPの度合いも高いとされます。
ただし、逆に「はい」が一つか二つしかなくても、その度合いが極端に強い場合は、HSPの気質があるとされます。
(ちなみに私は14項目該当しました。)
より詳しく判定したい方は以下のリンク先のHSP診断を実施してみてください。30秒ほどで簡単に調べることができます。
(こちらの診断では、125点中82点で中くらいのHSP気質で繊細な人、という結果でした。)
HSPとの付き合い方
先ほども述べましたが、HSPは病気や障害ではなく、生まれ持った特性(気質)ですので、「治療する」ことはできませんし、その対象でもありません。
しかし、自分の行動や環境を変えることで対処することが可能です。実際にすでにご自身で対処、対応している方も多いかもしれません。
HSPは、刺激に対して扁桃体が過剰に反応してしまう状態ですので、まず刺激の少ない環境に身を置き、刺激そのものを避けることが考えられます。
例えば、共感力が高く、相手がしてほしいことを敏感に受け止めて疲れてしまいがちなら、周りと少し距離をとってみましょう。聞きたくない話を聞く必要もなければ、苦手だと感じる人と仲良くする必要もありません。負担を感じる相手とは距離を置き、自然体でいられる人間関係を大切にするようにしましょう。
光や音など、外からの刺激に敏感すぎる場合は、アイテムを活用して、刺激を和らげてみましょう。
- 視覚→周りが見えすぎないようにメガネをかける、メガネの度を下げる、寝るときにはアイマスクをする
- 聴覚→イヤホンをして好きな音楽を聴く、耳栓を付けて雑音をシャットアウトする
- 触覚→肌触りのいい素材の服、締め付けすぎず、心地よいと感じるものを身に付ける
- 嗅覚→マスクで鼻を覆って隠す、お気に入りの香りのアイテムを持ち歩いて時々香りをかぐ
さらに、刺激を受けた後の行動は、自分で決められることを知っておくのも大事なことです。
例えば、空気を読んで周りの人の気持ちを察知したとしても、先回りして行動するかどうかは自由です。過去に大きく傷つく出来事を経験した場合は、トラウマを癒やしたり、とらえ方を変えるリフレーミングが有効です。
他にも、HSPに関する書籍や記事を読んで理解を深める、同じ状態で苦しんでいる人の存在を励みにする、HSPの人がどのように生きづらさを解消していたかを知ることなどで、心が楽になることもあるでしょう。
HSPの長所
HSPという気質の長所はたくさんありますが、主に以下の長所があると言えるでしょう。
- 人の気持ちを読み取れる
- 共感力が高い
- 感受性が高い
- 人の良さに気づき、実際に褒める
- 立場が弱い人を助けられる
- 慎重で計画性がある
- 向上心がある
- 勤勉、自主的に学ぶ
- 行動力がある
- 情報収集能力が高い
- 探求心が強い
- ルールを守る
- 幸せを人一倍感じられる
他にも様々な長所があると言えますが、ここで言いたいのは長所に目を向けましょう、ということです。
どんな人間であれ長所もあれば短所もあり、また長所と短所は表裏一体であることも多く、時と場合によって、あるいは活かし方によって、良い方向にも悪い方向にも働きます。
HSPであろうがなかろうが、自分の強みを適切に活かせることが大切なのだと思っています。
–最後に–
今回はHSPについてまとめてみました。
HSPは欠点ではありませんし、ネガティブに考える必要はありません。むしろ長所となる部分もたくさんあります。フラットな視点で生まれつき持っている才能としてとらえるのが良いと思います。
そして、HSPの持つ気質によって生きづらさを感じるなら、具体的に何に困っているかを自分自身で把握してことが大事です。
その困りごとやつらさを取り除くために行動や環境を工夫し、自分の特性に合わせた対処法を考えて、人生を豊かにしていきましょう。
人の気持ちを読み取れ、人のための行動がとれるあなたはきっと周りのみんなに好かれていますし、その感受性の高さのおかげで充実した日々を送れるはずです。
私もHSPという気質を活かしてこれからも精進し続け、一人でも多くの方の役に立てればと思っています。
また、あなたがHSPではなく周りにHSPのように見受けられる人がいるのだとしたら、ぜひその方を気遣う声をかけてあげてください。その一言でその方はとても救われると思います。
今後もHSPに関連した記事を書いていこうと思っていますので、そちらについてもぜひチェックしてみてください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
▪️参考
エレイン・N・アーロン 著 『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』
サワイ健康推進課
マドレクリニック
ココヨワチャンネル
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