いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
こんな風に思っていませんか?
『マインドレスネスって何?』
『マインドフルネスは聞いたことあるけど、マインドレスネスを知らない』
マインドフルネスという言葉が世の中に広く知れ渡ってきた一方で、マインドレスネスという言葉はまだあまり聞いたことがないですよね。
ということで今回は、
【マインドレスネスのすすめ】マインドフルネスとマインドレスネスの併用が成功の鍵
という内容をお伝えします。
今回の内容は、ジョージ・メイソン大学教授であるトッド・カシュダン氏とロバート・ビスワス=ディーナー氏の著書『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』を参考にしています。
それでは早速、マインドレスネスとは一体何なのか、マインドフルネスとどう使い分ければ良いのかを確認していきましょう。
マインドフルネスはやっぱりすごい
マインドフルネス、あるいはマインドフルネス瞑想という言葉は、今では多くの方が耳にしたことがあるのではないでしょうか。
一言で言うと、マインドフルネスとは、意識的な気づきです。
自分のいる世界を、そのまま観察する能力です。
例えば、
- ある車を目にしたときに、かっこいいではなく、赤い車だと認識する
- 失敗したときに、自分はダメな人間だと思うのではなく、今自分が失望感を味わっているなと考えられる
といった具合です。
マインドフルネスを普段から取り入れている人は、より幸福で、人生に意味と目的を感じ、心の知能指数が高く、自己への思いやりが深く、慢性的ストレスに対処する能力が高いことが様々な研究からわかっています。
この研究結果を聞いて、マインドフルネスを素晴らしいと思わない人はいないでしょう。
しかし、今回の主役はマインドフルネスではありません。
マインドレスネスが今回の主役です。
マインドレスネスとは一体何であり、どのような効果があるのでしょうか。
マインドレスネスという概念
マインドレスとは、端的に言うと、マインドフルとは対照的に集中していない状態のことです。
集中していない状態と言われると、多くの人はあまり良い印象を持たないでしょう。
マインドフルという意識的な行動、戦略など、人の優れた知性を示す前向き思考の表れとは対極にあるように思えますよね。
しかし、それではなぜ人間はもっとマインドフルネスな状態になるように作られていないのでしょうか。
人が多くの時間をマインドレスでいるように進化してきた理由は、意識的な思考をしている状態、つまり、今この瞬間に起きていることを常に認識している状態では、情報処理能力が極めて限られてしまうからなのです。
例えば、普段何気なく歩いている家から駅までの道のりをマインドフルにしようと思うと、足を交互に出し、前からくる子供との距離をはかりながら、ぶつからないように少し左によけ、そして、赤信号なので、道路にはみ出さないところで、足を止める、といったことを全て意識するということになります。
人の脳には、それぞれの瞬間に押し寄せてくる複雑で動きのある大量のデータを、意識しながら処理することなどとてもできないのです。
そんなことを無理にやろうとすれば、人混みで人に何度もぶつかってしまったり、車の運転中に他の車とぶつかってしまったりと、ありとあらゆる失敗をすることになります。
脳内の情報処理が無意識に猛烈な速さで行われているのは、そうしなければ間に合わないからなのです。
そして実際に、マインドレスが生産性と創造性を高め、生活の中の厄介な問題や不明瞭な事態に対処するのに役に立つことが、研究から明らかになっているのです。
それでは、どのようにマインドレスを活用していけば良いのか、次のパートを確認していきましょう。
マインドレスを活用する3つの方法
マインドレスな状態を活用する方法として、以下の3つがあります。
- 数分考えても結論が出ないときには、非常に短いデッドラインを設ける。
- 自分の目標を表す合図やサインを、よく目にするところに置く。
- とりとめのない思考のための時間を持つ。
1.数分考えても結論が出ないときには、非常に短いデッドラインを設ける。
結論を出すまでの時間を短く制限することで、否応なしにマインドレスな決断を下すことになります。
特に理由はないけれどなんとなくやってみたい、あるいは、なんとなく気が乗らないということが日常生活ではよくあると思います。
レストランでどっちのメニューにしようか迷うなんてことも、よくありますよね。
そんなときには、時間をかけすぎるのではなく、あなたが最初に抱いた正直な気持ちに従ってみましょう。
2.自分の目標を表す合図やサインを、よく目にするところに置く。
自分の目標やモチベーションを表現している名言や絵などを、目につく部屋の壁やデスクの上に置いておきましょう。
例えば、野球選手を目指している子供が、自分の部屋の壁にイチローのポスターを貼るというのは、効果的と言えるのです。
そうすることで無意識的に目標を認識する機会が増え、モチベーションを維持することが可能になります。
意識的に頑張ろうと思わなくとも、自分の意識から外れたところで自然と目標を意識し、頑張ることができるようになるのです。
3.とりとめのない思考のための時間を持つ。
思考がマインドレスにさまよっている時、脳は休息中とほぼ同じ状態になります。
そのおかげで、アイディア同士が衝突し、クリエイティブな考えが偶然生じることがあるのです。
シャワーを浴びているときや、通勤中のふとしたときにアイデアが浮かぶことがあるのは、まさにマインドレス状態の産物と言えます。
自分では何もしていないなと思っている時間も、実は何もしていないわけではなく、頭はマインドレスに働いてくれています。
普段の生活の中に、何をするでもない時間や自分だけの自由な時間を確保するようにしましょう。
マインドフルネスとマインドレスネスの併用
マインドフルネスの素晴らしさを再確認し、マインドレスネスの存在意義や良い点について、何となくでも理解を深めることができたと思います。
マインドフルネスの方が良い、あるいはマインドレスネスの方が良いというものではありません。
状況によって使い分けることがが大切です。
最も成功している人たちは、マインドフルとマインドレスのどちらかに凝り固まることなく、双方を行ったり来たりできるのです。
成功している人たちは、単純な選択をしなければならないときは、論理的に慎重につまり、マインドフルに考えます。
一方で、複雑な状況で決断をしなければならないときには、手持ちの情報で数分間考え、その後は何か別のことをしながら考えを温め、その後またその問題に戻ってマインドレスに直感を働かせて決めているのです。
成功者達を見習って、場合に応じた決断の仕方をするようにしていきましょう。
—最後に—
今回は、マインドレスネスについてお伝えしました。
マインドフルであることは良いことばかりですが、常にマインドフルでいることは不可能であるとともに、マインドレスな状態であることにもたくさんのメリットがあるという内容でした。
しかし、言われてみれば当たり前ですよね。
考えなくてもできることをわざわざ考えることはしないと思います。
スポーツでも、最初は教えてもらったことを一生懸命に意識して、バットを振ったり、ラケットを振るでしょう。
しかし、体が覚えるという表現がされるように、時間が経てば、無意識にバットやラケットを振って、ボールを打つことができるようになりますよね。
無意識にできるのに、変に意識してしまうことで、普段やっていることができないというのは、試合でよくあることです。
マインドレスの方が良いときもあるということは、上記のような例に関わらず、皆さんも何らかの経験をしているはずです。
本番を練習のように、練習を本番のように、という言葉もありますが、この言葉はまさに、今回の内容を表しているのではないでしょうか。
無意識にできるということは仕事の生産性にもつながります。
考えなくてもできるということの強さを実感させられる内容だったように思います。
それでは最後に、アルベルト・アインシュタインの言葉を紹介して終わりとします。
The intuitive mind is a sacred gift and the rational mind is a faithful servant. We have created a society that honors the servant and has forgotten the gift.
直感的な心は神聖な贈り物で、合理的な心は忠実な召使いだ。我々は召使いを重んじて、贈り物が忘れ去られた社会を作ってきた。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
◼︎参考
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