いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
皆さんの中には、
『先延ばし癖を直したい』
『計画通りに進まない自分が嫌いだ』
こんな風に思っている方、多いと思います。
仕事や課題は先んじて終わらせておくべきだとよく言われますし、計画通りに進まないと他人からの目が気になるとともに、何より自分にイライラしてしまうこともありますよね。
しかし、実は、先延ばしは常に悪いわけではなかったのです。
もう先延ばしにする自分をむやみに責めるのはやめましょう。
ということで今回は、
先延ばしを直す必要はない?その科学的理由と偉人マル秘エピソード
という内容をお伝えします。
先延ばしには良いこともたくさんあったのです。
歴史に名を残す成果をあげてきた偉人も先延ばししまくっていたのです。
それでは早速、先延ばしすべき理由とどんな偉人が先延ばしていたのか、確認していきましょう。
先延ばしは創造性の源
ペンシルベニア大学ウォートン校で、ある実験が行われました。
その実験では、同大学の学生にキャンパス内のコンビニ跡地に何を作るべきかを提案する、という課題をやってもらいました。
その結果、課題にすぐにとりかかり、提案までしてもらった場合、学生はありきたりなアイデアを提案する傾向がありました。
しかし、提案を先延ばしし、課題を与えてから提案してもらうまでの間にゲームをやってもらった場合、第三者からの創造性に関する評価が28%も高かったのです。
先延ばししたことではなく、ゲームをすることが創造性を高めるのに一役買ったのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
さすがです。とても鋭いですね。
同様に、課題を知らせる前にゲームをしてもらった場合は、創造性の高い提案ができたわけではなかったのです。
つまり、課題のことをいったん少し考えてから、意図的に先延ばしすると、意外な可能性に気づき、面白いアイデアが浮かぶようになったのです。
ただし、創造性を高めるには、ただ先延ばしにすれば良いわけではなく、意欲や情熱があることが前提条件です。
問題解決をする意欲や新しいアイデアを生み出そうという気持ちがなければ、先延ばしにしても、新しい何かが生まれるわけではなく、ただ遅くなるだけなのです。
ちなみに、古代エジプトでは、先延ばしを意味する2つの異なる動詞があり、1つは「怠惰」、もう1つは「好機を待つこと」を意味していました。
古代エジプト人も先延ばしの二面性について、すでに認識していたみたいですね。
生産性を重視するなら短時間で集中し、創造性を重視するなら、余計なことや寄り道しながら時間をかけることで、新たなアイデアが生まれたり、そのアイデアに肉付けがされ、より良いアイデアになるのです。
先延ばしは生産性の敵にはなりますが、創造性の強い味方になってくれるのです。
先延ばしの効果については、別の研究でも明らかになっています。
その研究について、次のパートで確認していきましょう。
あえて未完成の状態にすることで、記憶に残る
皆さんは、「ツァイガルニク効果」についてご存知でしょうか。
「ツァイガルニク効果」とは、
達成した課題よりも達成できなかった課題のほうをよく覚えている、というものです。
課題に限らず、物事を完了させると、そのことについて考えなくなってしまいますが、中断されたり未完であることで、頭のどこかでそのことが生き続けるのです。
散歩中やシャワーを浴びている際に、アイデアがふと浮かんだという経験をしたことがある人は多いと思いますが、それはまさに「ツァイガルニク効果」によるものだと言えるでしょう。
「ツァイガルニク効果」もまさに、先延ばしすることの有意性を証明してくれているのです。
偉人の先延ばしエピソード
先延ばしをする行為は、クリエイティブ能力が高い人や、問題解決能力に秀でている人によくみられる習慣のようです。
むしろ、因果は逆であり、先延ばしするからこそ、クリエイティブになれ、問題解決できるのです。
そんな創造性と問題解決に有益である先延ばしを、実は有名な歴史上の偉人達もしていたのです。
偉人が先延ばししていたとなると、勇気が出るというか、なにか励まされたような気分になりますよね。
その先延ばしをしていた偉人とは、レオナルド・ダ・ヴィンチなのです。
早速、彼の”先延ばし偉人伝”を確認してみましょう。
彼の代表作と言えば、「モナ・リザ」ですが、その「モナ・リザ」も彼の”先延ばし癖”のおかげで、できたと言っても過言ではないのです。
彼は1503年に「モナ・リザ」を描き始め、亡くなる直前の1519年に、15年以上の月日をかけてようやく完成させました。
彼はその期間、ずっと「モナ・リザ」を制作していたわけではありません。
その間に光に関する実験やその他”余計なこと”をしていたのです。
しかし、その光に関する実験や余計なことのおかげで、「モナ・リザ」に立体感を出すことができたのだ、と歴史研究家のウィリアム・パナパッカー氏は述べています。
パナパッカー氏は、”余計なこと”は生涯にわたる建設的なブレインストーミングのようなものであり、アイデアを生むための鍛錬だったのだ、とも述べています。
そして、彼の”先延ばし癖”は「モナ・リザ」だけでなく、「最後の晩餐」においても発揮され、完成に10年以上の時間をかけることで、後世に残る名画となったのです。
このように、レオナルド・ダ・ヴィンチは先延ばし癖のおかげで、素晴らしい作品を見事2つも完成させたのです。
先延ばしが功を奏したのは、レオナルド・ダ・ヴィンチだけではありません。
“I have a dream”で有名なキング牧師の演説も、”人民の人民による人民のための政治”というフレーズで有名なリンカーンの演説も、先延ばしに先延ばしを重ねた結果、歴史上に名を残す演説となったのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチだけでなく、キング牧師、リンカーンという2人の偉人も、先延ばしをすることで歴史に名を残したのです。
愚者は時を急ぎ、賢者は時を待つのです。
—最後に—
今回は、先延ばしにするメリットついてお伝えしました。
クリエイティブ能力や課題解決能力を大いに発揮するには、戦略的に先延ばしし、様々な可能性を試し、改良していきながら、少しずつ完成に近づけていけば良いのです。
創造性や問題を解決する必要がないものについては、生産性を重視して淡々とこなし、逆に創造性が必要な場合や問題解決をする際には、少しまわり道するくらいの余裕をもって、やっていきましょう。
生産性を上げる方法については、別途複数の記事にてまとめていますので、こちらも参考にしてください。
生産性を高めるときと、創造性を高めるときとで、それぞれに適した行動をとっていきましょう。
それでは、最後にレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉を紹介して終わりとします。
天才は、最小限しか仕事をしない時にこそ、最も多くを成し遂げることがある。そういう時に天才は、発明を考えだし、頭の中で完璧なアイデアを形作っているからだ。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
■ 参考
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