SIerってどんな仕事?現役ITコンサルタントが業務の概要を解説

『SIerって何?』

『SIerの業務内容が知りたい』

『SIの基本が知りたい』

という風に思っている方、いらっしゃると思います。

ということで本記事では、

SIerってどんな仕事?現役ITコンサルタントが業務の概要を解説

という内容をお伝えします。

本記事を読むことで、

  • SIerとは何か
  • SIerの主な業務内容

を知ることができ、

逆に読まなければ、

SIerの業務内容を理解せずに就職・転職してしまい、想像との違いに後悔してしまう可能性があります。

それでは内容を確認していきましょう。

そもそもSIer(エスアイヤー)とは?

システムインテグレーター(System Integrator)の略で、システムインテグレーション(System Integration)を行う業者のことです。

しばしばSIと略されるシステムインテグレーションですが、システムインテグレーションとは、

コンピュータ、サーバ、ソフトウェア、ネットワーク、データベースなどを組み合わせて、企業の情報システムを構築し、運用・保守をすることです。

ハードウェアやソフトウェア、データベースなどの選定や調達からマニュアルの作成、トラブル対応を含めたシステム利用サポートなどを行なっています。

言ってしまうと、システム関連全般がSIerの守備範囲です。

つまり、クライアント企業からIT全般を任せられると言っても過言ではありません。

もう少し具体的に言うと、(何を言っているか分からないという方は、あまり気にせず読み飛ばしてください。)

  • 各種サーバやデータベースの構築・管理。
  • ネットワーク環境の整備。
  • 業務用(社員用)アプリを構築。
  • 一般ユーザ(広く一般の人々)が利用するアプリを構築し、改善していく。
  • Java、PHP、HTML、css、JavaScriptなど多種多様なプログラミング言語を扱う。
  • AIや各種Cloud、RPA、IoT案件なども扱う。

など、多岐に渡ります。

もちろん、 SIerによって規模や専門分野が異なり、幅広い企業と協力してシステム開発を行うことも多々あります。

日系の大手SIerの例として、以下の5つをここでは列挙しておきます。

  • 富士通
  • NTTデータ
  • 日立製作所
  • NEC
  • 野村総合研究所(NRI)

では、SIerの実際の業務内容はどのようなものなのでしょうか。

どのようにしてシステムが構築されていくのか、次のパートで確認していきましょう。

SIerの業務(SIの主要5工程)

SIerの主要な業務内容をシステム構築の5つの工程(フェーズ)に分けて、説明しています。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. 構築
  4. テスト
  5. 運用・保守

■ 要件定義

要件定義は、家づくりで言うところの間取りを決める作業、といったところでしょうか。

クライアントがどのような目的でシステムを必要としているか、ミーティングなどを重ねて、システムに必要な機能や性能などを定義する工程です。

どんなシステムを作り、どれくらいのスケジュール感で開発していくのかを要件定義書としてまとめていきます。

システムの方針を決定する非常に重要なフェーズです。

■ 設計

設計は、家づくりで例えると、間取りをもとに実際にどんなキッチンにするか、どんな玄関の扉にするか、を決めていくといったところでしょうか。

要件定義フェーズで作成された要件定義書を元に実際のシステムの設計を行う工程です。

設計内容としては、構築するシステムによりますが、ハードウェア・ソフトウェア設計やデータベース設計、業務設計などさまざまな設計を行います。

■ 構築

構築は、家づくりで言うところ、実際に家を建てる工程です。

設計工程で作成した設計書をもとに実際に開発(プログラミング)していきます。

黒い画面で色とりどりの文字を書くという一般的なプログラミングのイメージをお持ちの方も多いと思いますが、まさにそれをやっている工程です。

■ テスト

構築フェーズでコーディングしたプログラムが設計書通りに動作するか確認する工程です。

家づくりで言うところの、ちゃんと扉が開くよね、水出るよね、電気通っているよね、の確認をするといったところです。

テストにもいくつか種類があります。

  • 単体テスト:プログラムコードを1行ずつ確認するテスト。
  • 結合テスト:プログラムのまとまり同士の連携を確認するテスト。
  • 総合テスト:ユーザーが実際に利用するケースを最初から最後まで実行してうまくいくか確認するテスト。
  • パフォーマンステスト:画面遷移が遅すぎないか、容量が足りているかなど、性能を検証するテスト。
  • ユーザ受入テスト:実際にシステムを利用する担当者に使ってもらい、要件通りのシステムになっているかの確認をしてもらうテスト。

これらのテストを実施して問題があれば修正する、ということを繰り返すことで1つのシステムが少しずつできていくのです。

■ 運用・保守

クライアントのシステム利用者が問題なくシステムを利用できるよう、稼働状況の監視や利用状況に応じたチューニングを行う工程です。

使いにくいところを使いやすく改善したりもします。

システムに何か問題が生じた場合の対応なども行います。

システムは作ったら終わりというわけではありません。

構築完了後も稼働状況確認やクライアントからの問い合わせ対応、システムの改善などしっかりと管理していく必要があります。

—後書き—

SIerで働くと、システム構築の要件定義から運用・保守、管理(上流から下流)まですべての工程に携わることになると思います。

その中で、専門家・プロフェッショナルとしてプログラミングばかりする人やデータベースの豊富な知識を生かして働いている人もいます。

いずれにしろ、IT全般の幅広い経験と知識が得られるのがSIerであり、ある領域の専門家になることもできるのがSIerです。

興味がある方はSIerと呼ばれている企業に入社してみてはいかがでしょうか。

転職については以下の記事も参考にしてみてください。

最後にヘレン・ケラーの名言をご紹介して終わりとします。

I long to accomplish a great and noble task, but it is my chief duty to accomplish small tasks as if they were great and noble.

私は素晴らしく尊い仕事をしたいと心から思っている。でも私がやらなければならないのは、ちっぽけな仕事をも素晴らしくて尊い仕事と同じように立派にやり遂げることなのだ。

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