『人はなぜ人生の約3分の1も眠るのか』
『眠らないとどうなるのか』
『理想的な睡眠時間は何時間なのか』
こんな風に思っていらっしゃる方多いと思います。
ということで今回は、
睡眠不足は不幸の始まり!?睡眠不足による影響と理想的な睡眠時間
という内容をお伝えしていこうと思います。
今回お伝えする内容は、
- 筑波大学 柳沢正史教授
- 杏林大学 古賀良彦教授
- 日本大学 内山真教授
による研究や意見などをもとにまとめています。
今回の記事を読むことで、
- 人はなぜ眠るのか
- 睡眠不足による影響
- 理想的な睡眠時間
を知ることができます。
それでは、確認していきましょう。
人はなぜ眠るのか?
現代科学においては、眠る理由は正確には分かっていないみたいです。
睡眠不足による体への影響の研究は進んでいますが、人を含め動物がなぜ眠らなければならないのか、は未解明な部分が多いみたいですね。
眠る理由は分からなくても、睡眠の重要性については分かっていることも多いので、その点について確認してみましょう。
睡眠不足が及ぼす影響は?
睡眠不足が脳、体、メンタルに及ぼす影響は以下の通りです。
裏を返せば、睡眠時間をちゃんと確保すれば、以下の内容全て予防できるということにもなります。
・脳
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
- 判断力の低下
- 反射神経の低下
・体
- 肥満
- 高血圧
- 高血糖
- 動脈硬化
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- がん
- 認知症
・メンタル
- うつ病
- ストレス増加
- イライラ感増加
■ Tips
米国に本部を置く世界的シンクタンク「ランド研究所」の試算(2016年)によると、
日本における睡眠不足による経済的な損失は、
年間1380億ドル=約15兆円=GDPの2.92%
であり、
GDP比においては、調査対象のアメリカ、ドイツ、イギリス、カナダの中でも最大という結果になりました。
単純計算ではありますが、国民一人当たり年間で
約12万円(=15兆円÷1億2,000万人)
つまり、
1ヶ月で1万円の損をしている
という計算になります。
残業を頑張っている私たちには耳が痛い話だと思いますが、
残業して頑張る<<睡眠
は疑いようがありません。
もう睡眠を削ってまで頑張るのはやめましょう。非科学的です。
以下の記事で残業を減らす方法をまとめていますので、是非読んで実践してみてください。
理想的な睡眠時間は?
それでは理想的な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか。
それは
7~8時間
と言われています。
■ 睡眠時間と寿命の関係
1980年代にアメリカで100万人以上を対象に行われた、睡眠時間と寿命の関係の調査では、1日に6.5~7.5時間の睡眠をとっている人が最も死亡率が低い結果となりました。
■ 睡眠時間とうつ病の関係
もっともうつ症状が少ないのは睡眠時間が7~8時間の人で、それより多くても少なくてもうつ症状の頻度は増えています。
■ 睡眠不足チェック
科学的に理想的な睡眠時間は7~8時間とされていますが、結局は人によります。
ショートスリーパーもいればロングスリーパーもいます。
ということで、
以下の睡眠不足チェック表で、あてはまる項目の個数を数えてみてください。
今の睡眠時間で問題ないのか確認することができます。
その結果、睡眠不足だと判明した方は、
睡眠時間を1時間増やすことを1週間続けた後に
再チェックしてみてください。
この繰り返しで、理想的な睡眠時間を見つけることができます。
● 睡眠不足チェック表
- 起床時は、音の大きな目覚まし時計が必要(あるいは、必ず誰かに起こしてもらっている)
- 朝、寝床から出るまで苦労する
- 目覚まし時計の音に気づかず、時々そのまま眠ることがある(あるいは、起こされてもなかなか起きられない)
- ビールなどアルコールを少し飲むとよく眠れる気がする
- 週末など休みの日の前は、いつもより2時間以上長く眠る
- 時々、以前より気力が無いと感じる
- 細かな仕事や家事は、以前より手を抜くことが多くなった
- 時々、知らないうちに居眠りをしている
- テレビを見たり、本を読んだりしているときに非常に眠くなったり、居眠りをすることがある
- 電車、バス等に1時間以上乗車すると非常に眠くなったり、居眠りすることがある
- 多めの昼食(お酒抜き)を取った後、いつでも非常に眠くなったり、居眠りをすることがある
- 何らかの集まりや講演会、会議の最中に眠くなることが多い
- 車の運転中、うとうとして途中で2、3分休憩することがある
- 日中にコーヒーや紅茶、日本茶などを4杯以上飲む
● 確認結果
- 5個以下:だいたい適切な睡眠時間が確保できています
- 6~9個:睡眠量不足の傾向があり、注意力散漫になりがちです
- 10~12個:かなりの睡眠量不足で、仕事を丁寧にすることが難しくなってきます
- 13個以上:深刻な睡眠量不足の状態です
※出典:大阪がん循環器病予防センター
まとめ
最後に復習しておきましょう。
人が眠る理由は正確にはわかっていないが、睡眠不足による悪影響は以下の通りです。
・脳
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
- 判断力の低下
- 反射神経の低下
・体
- 肥満
- 高血圧
- 高血糖
- 動脈硬化
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- がん
- 認知症
・メンタル
- うつ病
- ストレス増加
- イライラ感増加
・経済損失(日本)
年間約15兆円
理想的な睡眠時間は
7~8時間
ですが、個人差があるので、
睡眠不足チェック表で睡眠不足か確認して、睡眠時間を調整していきましょう。
—筆者コメント—
どうだったでしょうか?
睡眠はやはり大切でした。
睡眠時間がもったいないと考えるのはもうやめましょう。
睡眠時間を削ることは本当に良くありません。
全てに悪影響を及ぼしてしまいます。
逆にしっかり睡眠時間を確保しさえすれば、全てがうまくいくようになるはずです。
睡眠時間は決して無駄な時間ではないのです。
今日からしっかり睡眠時間を確保して、土日に寝だめする生活はやめましょう。
ということで睡眠時間を確保して、心身ともに健康的になって、不用意なミスや事故を減らして、仕事もテキパキこなして給料もアップして、良い人生にしていきましょう!
■ 出典
・NHK
・EMIRA
・一般社団法人日本看護学校協議会共済会
・WAOサイエンスパーク
・日本睡眠科学研究所